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トタン屋根の雨漏り修理|緩勾配は立平葺きへ|さいたま市の施工事例

    
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トタン屋根の雨漏り修理|緩勾配は立平葺きへ|さいたま市の施工事例

📅 施工時期:2015年9月|本記事は施工当時の記録をもとに再構成しています。建材・工法・費用は変わることがあります。お住まいの状態は現地調査にてご確認ください。

🏠 雨漏り修理|板金屋根(トタン屋根)

埼玉県さいたま市で、1階の板金屋根(トタン屋根)の雨漏り修理を行った事例です。屋根の上は、防水テープによる応急処置だらけになっていました。

雨漏りの原因は、屋根の勾配(角度)に合っていない工法で葺かれていたことでした。材料が悪かったわけでも、施工が雑だったわけでもありません。工法の選択そのものが、この屋根には合っていなかったのです。同じ板金屋根でも、勾配によって選ぶべき葺き方は変わります。

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応急処置のテープだらけになっていた屋根

お伺いした時点で、屋根の上には白い防水テープがあちこちに貼られていました。雨漏りを止めようと、何度も応急処置が繰り返されてきたことが分かります。

防水テープで応急処置された板金屋根
白い部分が応急処置の防水テープ。ベランダの足はいったん取り外しています

ただ、テープを貼っても雨漏りは止まりません。なぜなら、原因は「どこか一か所に穴が開いている」ことではなく、屋根全体の葺き方が勾配に合っていないことにあったからです。

テープやコーキングは、原因を隠してしまうことがあります 塞ぐこと自体が悪いわけではありません。ただ、水の入口を塞ぐと、水は別の弱いところへ回ります。応急処置を重ねるほど「どこから入っているのか」が分かりにくくなり、その間も下地の木材は濡れ続けます。止まらない応急処置は、時間を買っているようで、実は下地の寿命を削っています。
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神社の屋根が雨漏りしない理由

この屋根は「平葺き(ひらぶき)」という工法で葺かれていました。板金を横方向にも縦方向にもつないでいく、昔からある工法です。神社仏閣の屋根などにも使われています。

同じ工法でも、屋根の角度が違います

神社の屋根を思い浮かべてみてください。急角度で、深く反り上がった屋根をしています。勾配が急だから、雨水が留まらずに流れ落ちる。だから平葺きでも雨漏りしないのです。

工法そのものに優劣があるわけではありません。その屋根の勾配に合っているかどうか——判断の分かれ目はそこだけです。今回の屋根は1階の下屋(げや)で、勾配は緩やかでした。神社の屋根とは、水の流れる速さがまるで違います。

勾配は「寸(すん)」で表します 屋根の傾きは、水平に10進んだときに何寸上がるかで表します。3寸勾配なら、10:3の傾き。数字が小さいほど緩い屋根です。一般に、板金を横方向につなぐ葺き方はある程度の勾配を前提としており、緩勾配の屋根には縦方向に継ぐ工法が向くとされています(採用できる勾配の下限は工法・製品ごとに決まっています)。
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緩い勾配の屋根で、何が起きていたのか

板金と板金をつなぎ合わせて折り曲げた継ぎ目を「ハゼ」といいます。平葺きでは、このハゼが雨水の流れを横切る向きにも入ります。

水は、横向きのハゼで足を止めます

  • 勾配が緩いと、雨水は勢いよく流れ落ちず、横向きのハゼの手前で滞留します
  • 溜まった水は、毛細管現象(細い隙間を水が這い上がる現象)で継ぎ目の内側へ吸い込まれます
  • 強い風は、雨水を下から上へ吹き上げます。ハゼの重なりを逆流して入り込みます
  • 冬場は、軒先の凍結で水がせき止められ、さらに水位が上がります

つまり、穴が開いていなくても水は入ります。テープを貼っても止まらなかったのは、当然のことでした。同じ「緩い勾配の板金屋根で水が滞留する」問題は、ゲリラ豪雨で水没する平らな板金(瓦棒)屋根の事例でも起きています。

緩い勾配に平葺きは向きません 勾配が緩い屋根では、雨水がハゼの部分に溜まります。溜まった水は、毛細管現象や風の吹き上げによって継ぎ目の内側へ回り込み、やがて雨漏りにつながります。「板金屋根=雨に強い」というイメージだけで工法を選ぶと、こうした失敗が起こります。
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継ぎ目を「縦」に変える|立平葺きへの改修

そこで今回は、「立平葺き(たてひらぶき)」という工法で葺き替えました。屋根の流れ方向に沿って、継ぎ目を縦に通す工法です。

立平葺きで葺き替えた板金屋根
継ぎ目を縦方向に通した立平葺き。水を横切る継ぎ目がありません

縦に通すと、なぜ雨漏りしなくなるのか

  • 雨水の流れを横切る継ぎ目がなくなり、水が溜まる場所がなくなります
  • 棟から軒先まで一枚の板金が通るため、途中で水が滞留しません
  • 継ぎ目は水の流れと平行に立ち上がっており、水面より高い位置で組まれます
  • 緩い勾配の屋根でも対応できる工法です
工法 継ぎ目の向き 向いている屋根
平葺き 縦・横の両方にハゼが入る 勾配が急な屋根(神社仏閣、急勾配の切妻など)
立平葺き 縦方向のみ(水を横切らない) 勾配の緩い屋根、下屋、大きな面をまとめて葺く屋根
軒先を折下げ加工した板金屋根
軒先は水切れがよくなるよう、折下げに加工しました

軒先は、雨水のキレがよくなるように折下げの加工を施しています。ここで水がきちんと切れないと、水が裏側へ回り込み、軒天(のきてん/屋根の裏側の天井部分)を濡らす原因になります。板金屋根では、こうした納まりの一つひとつが効いてきます。

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屋根を貫通する「ベランダの足」をどう納めるか

この屋根には、2階のベランダを支える足が立っていました。屋根を貫通する部分は、板金屋根でもっとも雨漏りしやすい弱点のひとつです。

ベランダの足を再取り付けした屋根の仕上がり
ベランダの足も工夫して、元どおりに取り付けました

工事では、足をいったん取り外して屋根を葺き替え、雨仕舞い(あまじまい/雨水の入口を作らない納め方)を工夫したうえで元の位置に取り付け直しました。

貫通部は「コーキングで塞ぐ」より「水が入らない形にする」 屋根の貫通部をコーキングだけで防水すると、数年でその部分が切れて雨漏りが再発します。コーキングは補助であって、防水の主役ではありません。板金の立ち上がりや水返しで、水がそもそも入らない形をつくることが基本です。
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板金屋根は「勾配に合った工法」がすべてです

板金屋根は、素材そのものは丈夫です。問題になるのは、ほとんどの場合「葺き方」と「納まり」です。

工法が合っていなければ、何度直しても止まりません 今回のように工法の選択そのものが原因であれば、テープやコーキングでいくら塞いでも根本的には解決しません。勾配に合った工法へ葺き替えることが、いちばんの近道になります。

こんな板金屋根はご相談ください

  • 雨漏りを何度も応急処置しているが、止まらない
  • 屋根に防水テープやコーキングの補修跡がたくさんある
  • 勾配の緩い板金屋根で、天井にシミが出ている
  • 屋根の上に、ベランダや設備の脚が立っている
  • 雨のたびではなく、風の強い雨のときだけ漏る

最後の項目は、板金屋根では見逃せないサインです。風向きによって漏ったり漏らなかったりする場合、継ぎ目からの吹き上げ・逆流を疑います。

住医やたべは、建築板金を専門としてきた会社です。雨漏りの無料点検にて、勾配・工法・納まりの適否まで確認いたします。屋根の工法については屋根診断・屋根リフォームのページを、板金屋根そのものの劣化については瓦棒屋根(カラートタン)の雨漏り診断事例もあわせてご覧ください。

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