コロニアル屋根の捨て谷から雨漏り──水返し不足を変成シリコンで補修【川口市】
📅 施工年月:2014年11月|本記事は過去施工事例の再構成版です。当時の写真と現場記録をもとに、現在の知見も加えて整理しています。
川口市にお住まいのお客様から、軒天に雨ジミができたとのご相談をいただきました。コロニアル屋根の捨て谷部分の施工方法に問題があり、大雨のときだけ雨漏りするケースでした。
原因の特定から、雨水の流れを逆らわず逃がす処置までをまとめます。「雨漏りは怖いもの」という気持ちで、日頃から目を配っていただくきっかけになれば幸いです。
川口市のお客様から、軒天(のきてん)に雨ジミができたとのご連絡をいただきました。
軒天とは、屋根が壁から外側に突き出した部分の裏側、見上げると見える板のことです。ここにシミが出ているということは、屋根の中で雨水が予期しない経路を通っている証拠です。
お話を伺うと、いつも雨漏りするわけではなく、大雨のときだけシミが広がるとのこと。これはあとで分かったことですが、「ある一定量を超えた水だけが、しまい込めずにあふれて出てくる」という典型的なパターンでした。
外観からは雨漏りの原因が分からなかったため、雨押え(あまおさえ)と呼ばれる、屋根と外壁の取り合い部分の板金を一部開けて、中を確認することにしました。
外観は完璧、しかし中身が問題でした
外観だけ見ると、雨押えの上の雨水が壁の中に入らないよう、水返しと呼ばれる立ち上がりも加工されており、施工は丁寧に見えました。
しかし、その中身を見てみると──
壁の内側に、水がたまっていた跡がしっかり残っていました。やはり外からは見えないところで、雨水が滞留していたわけです。
原因は2つ──水返しの高さ不足と、雨水の流れ方向
- 水返しの高さが足りない:大雨の量に対して立ち上がり寸法が不足していた
- 雨水の流れる角度が手前向きになっていない:本来は手前(外側)に流れて切れるべき水が、奥にたまる方向に角度がついていた
この2つが重なったことで、大雨で水量が増えると、水返しを越えて壁の奥へ雨水があふれる状態になっていました。普段の雨では水返しの範囲内で収まるため、症状は出ない。だから「大雨のときだけ漏る」という現象になっていたわけです。
原因が分かったので、補修に入ります。
水返しの高さをコーキングでかさ上げ
本来であれば板金をやり直したいところですが、この部分はこれ以上壊すと別の問題を引き起こすため、変成シリコン系のコーキングで水返しの高さを補い、雨水が奥にあふれないように処理しました。
使用したのは変成シリコン。アルコール脱水型で塗装可、対候性も良好なため、こうした屋根まわりの補修には適した材料です。
続いて捨て谷部分の処理
次は、雨漏りのもうひとつの懸念ポイントである捨て谷(すてだに)部分です。
捨て谷というのは、屋根と壁が取り合う部分で、雨水を屋根面に逃がすために設置する板金のことです。この形状であれば本来は壁の中に雨水が入りにくい構造ですが、念には念を入れてコーキングで防水処理を追加しておきました。
これで、捨て谷経由・雨押え経由のどちらからも、雨水が壁の奥にあふれて入ることがない状態に仕上げました。
今回のケースで一番お伝えしたいのは、雨漏りはちょっとした施工ミスから起こるということです。
新築当時の施工は、外観も丁寧で「水返しもしっかり加工してある」状態でした。にもかかわらず、わずかな寸法不足と角度の取り違えで、長年の大雨ごとに水が漏れ続けていたわけです。
雨水の流れに逆らわない、それだけでいい
雨漏り対策の基本は、すごく単純です。
- 雨水を意図しない場所にためない
- 雨水が自然に流れる方向に逆らわず、スムーズに排出する経路をつくる
- 「想定外の大雨」にも余裕を持った寸法で施工する
これを守れば、雨漏りはほぼ防げます。難しい技術というより、現場で「どこを水が通るか」を一つひとつ想像して納める力です。
大ごとになる前に、ご相談ください
軒天のシミ、ちょっとした水滴、クロスの色違い──どれも「気のせいかも」「いつかやろう」で見過ごされがちなサインです。ですが雨漏りは、見えないところでじわじわ広がります。野地板の腐食、断熱材の劣化、構造材の侵食まで進むと、修理費用は何倍にもなります。
雨漏りの応急処置はこちら → 雨漏りの応急処置
雨漏り対策の基本はこちら → 雨漏り対策ページ
コロニアル屋根の比較はこちら → コーキング劣化の判断目安
他の雨漏り修理事例はこちら → 施工事例一覧
住医やたべは50年以上、川口市・さいたま市を中心に屋根・外壁・雨漏りまで幅広く対応してきました。「これくらいで呼んでもいいのかな」というご相談こそ、お気軽にお寄せください。