模型用うすめ液が棚から消えた話——たまにプラモを作る職人の雑記
カテゴリー的には「現場のホンネ」としていますが、今回は「住まいのかかりつけ医」住医やたべの中の人によるただの雑記です。お役立ち情報というより半分は趣味の話なので、お付き合いいただける方だけどうぞ。先に白状しておくと、私、たま——————にですがプラモデルを作ります。正直、最近は作る時間もなかなか確保できていないのが現状ですが・・・。それでも、店に行くとつい模型コーナーの棚は見ちゃうんですよね。で、ある日ふと気づいてしまったわけです——模型用の塗料とうすめ液の棚が、やけにスカスカになっている、と。
そもそも私が量販店やホームセンターをよく巡るのは、仕事柄です。食洗機やガスコンロ、給湯器みたいに実際の工事で扱う設備は、カタログの数字だけでは大きさも質感もわからない。自分の目で見て手に取っておきたいので、休みの日でもつい足が向きます。で、ああいう店はだいたいおもちゃ・模型コーナーが併設されている。用が済んだあと、吸い寄せられるように模型コーナーへ……というのがいつものパターンです。職業病なのか趣味なのか、最近はその塗料棚の空き具合のほうが気になって仕方ありません。
「最近たまたま入荷が悪いだけかな」と思って調べてみたら、品薄はちゃんと現実に起きていました。大手通販サイトでも、定番のラッカー系うすめ液(模型用の薄め液)が「販売休止中」と表示されているものがあります。色そのものは案外あったりするんです。困るのはうすめ液のほう。考えてみれば当然で、欲しい色は人それぞれバラバラなので需要が何十色にも分散しますが、うすめ液は色を問わず誰もが使う共通の消耗品。だからどうしても需要が一点に集中して、真っ先に品薄になりやすいわけです。詳細は割愛しますが、塗装にうすめ液は必需品で、これが棚にないと、肝心の塗料があっても結局うまく塗れず手が止まってしまう。いざ作ろうと思ったときに、それが欠けているのは地味に困るんですよね。趣味で楽しみにしている人ほど、空っぽの棚は寂しいものです。
正直、最初は「どうせ転売屋だろ」くらいに思っていました。でも調べてみると、原因はそんなに単純じゃない。いくつかの事情が重なっていて、「これのせいだ」と一つに絞れないのが実情でした。
- メーカー側の事情。大手の模型塗料メーカーが、需要の高い重点商品を中心とした生産体制に移行することを告知しています。つまり、すべての品目を従来どおりには作りにくくなっている面がある。
- 買いだめの連鎖。別の塗料メーカーは「落ち着いてください、溶剤は普通に生産・出荷しています」とわざわざ呼びかけている。品薄の不安が買いだめを呼び、それがさらに棚を空けている——という悪循環の面もあるようです。
- 転売の問題。販売店の中には「転売目的と判断した注文は取り消す」と明記しているところもある。やっぱり転売も現実に起きている、と。
ここからは完全に職業病の余談です。模型用のラッカー塗料も、私たちが外壁や屋根の塗り替えで使う塗料・シーリング材・防水材も、もとをたどれば石油から作られる石油化学製品。原料の石油由来素材はここ数年コストが上がる基調が続いていて、その波は住宅用の塗料・建材にも届くことがあります。趣味の棚で起きている品薄や値上がりは、実は家のメンテナンスとも地続きだったりするわけです。なんだか他人事に思えなくて、つい調べ込んでしまいました。
そんなわけで、塗料や建材がじわじわ上がる基調にあるのを日々感じている身としては、外壁や屋根の塗り替えも「いずれやるなら早めに動いたほうが結局ラクなことが多いですよ」と、つい言いたくなります。劣化が進んでからだと工事の範囲も費用も大きくなりがちなので。まあこのへんは本職の話。雑記なのでこのくらいにしておきます。