「全体が傷んでいる」では雨漏り調査にならない——瓦棒葺き板金屋根の谷腐食を特定した事例
📅 掲載日:2013年12月
天井板に大きなしみができているとのご相談で、さいたま市のお客様のお宅を調査しました。屋根は瓦棒葺きの板金屋根で、全体的に葺き替え時期を迎えていました。
ただし「全体が傷んでいる」ことと「どこから雨が入っているか」は別の問題です。今回の調査では、雨漏りの発生箇所を一か所ずつ丁寧に絞り込み、原因となる損傷部位を特定しました。
まず室内の雨漏り箇所を確認します。天井板には広範囲にわたるしみが広がっており、雨水が長期間にわたって浸入し続けていたことがわかります。


屋根に上がると、縦方向に等間隔で棒状の出っ張りが並ぶ「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」の板金屋根でした。トタン屋根とも呼ばれ、木造住宅に広く普及している工法です。全体的に塗装の劣化・サビが進んでおり、葺き替えの時期を迎えた状態でした。
屋根全体を丁寧に確認した結果、雨漏りの原因となっている箇所を特定しました。
隣接する瓦屋根と板金屋根の境目にある「谷(たに)」部分の板金が腐食し、ほぼ消失していました。谷は2つの屋根面が合わさる部分に雨水が集中する箇所で、ここが失われると雨水が直接下地へ流れ込みます。

屋根の端部を処理するドブ板(軒先の水を受ける板金)とカッパ(棟や端部を覆う板金)にも腐食による穴が確認されました。これらは補修に手間がかかる部位ですが、放置すると雨水の浸入が続きます。

原因が特定できれば、必ずしも屋根全体を葺き替える必要はありません。お客様のご要望・ご予算に合わせて、最も傷みが深刻な箇所から順番に補修していく部分補修も選択肢のひとつです。
- 最優先:谷部分の板金を新規で設置(腐食消失部分の復旧)
- 次点:ドブ板・カッパの腐食穴を板金で補修またはカバー
- 中長期:屋根全体の塗装または葺き替えを計画的に検討
板金屋根の雨漏りや調査についてのご相談は屋根診断ページから、まず状況だけ確認したい方は無料診断をご利用ください。