外壁にひびが入ってきた。モルタルとサイディングで対処がまったく違う話
📅 掲載日:2026年3月|本記事は2026年3月現在の情報を基に作成しています。ひび割れの原因・対処方法は建物の構造・状態によって異なります。
外壁にひびが入っているのを見つけたとき、「塗り直せばいいかな」で済む場合と、「これはすぐ見てもらった方がいい」という場合があります。
大事なのは、外壁の種類によって話がまったく変わるということです。モルタルかサイディングか、まずそこから確認してください。
モルタル外壁(セメントと砂を混ぜた左官仕上げの外壁)は、経年でひびが入ること自体は珍しくありません。素材の性質上、乾燥収縮や気温変化によって表面にひびが生じます。問題は「どの程度のひびか」です。
ひびの種類と緊急度の目安
ヘアクラック(髪の毛ほどの細いひび)
幅0.3mm未満・深さが浅い・表面だけにある。塗膜の経年劣化によるもので、防水上は急を要しないことが多い。次の塗装時に一緒に補修する形でOK。
構造クラック(幅0.3mm超・深いひび)
幅が広い・段差がある・斜め方向に走る・複数が連続している。雨水が内部に入るリスクがあり、放置すると下地まで傷む。
モルタルのひびへの基本対処:Uカット(Vカット)補修
幅のあるひびには、Uカットシール工法(Vカット工法とも呼ばれる)が一般的な補修方法です。ひびに沿ってU字またはV字型に溝を切り、奥まで確実に補修材を充填してから仕上げます。表面だけ塗り重ねると再びひびが出やすいため、溝を切って充填する方法が有効です。
サイディング(窯業系・金属系・木質系などの板状外壁材)のひびは、モルタルとは話がまったく違います。
モルタルは素材の性質上ひびが入りやすいのに対し、窯業系サイディングは工場で製造された工業製品で、モルタルに比べてひびが入りにくい素材です。ただし、塗装が劣化して防水性を失うと吸水・乾燥を繰り返して徐々に傷んでくることはあります。問題は「どこに」「どのように」ひびが入っているかです。
よく見受けられるのは「割れ」より「暴れ・浮き」
現場でよく見受けられるのはひび割れよりも、サイディングが浮いてきたり、横から見ると波打つように反っているケースです。原因は主に2つあります。
ひとつは施工時の嵌合の問題です。横張りサイディングは上下のボードを嵌め合わせて施工しますが、この嵌合部を強く押し込みすぎると、サイディングが膨張・収縮したときの「逃げ」がなくなります。セメントが主成分の窯業系サイディングは温度・湿度の変化で小さく動く素材なので、逃げ場がない状態が続くとボードが暴れやすくなります。これは経験上よく見る原因のひとつです。
もうひとつは吸水・乾燥の繰り返しです。塗膜やシーリングが劣化して防水性が落ちると、サイディングが雨水を吸い込むようになります。吸水すると膨張し、乾燥すると収縮する——このサイクルを繰り返すうちにボードが少しずつ変形していきます。表面側から先に乾くため、内側との乾燥速度の差が反りを引き起こします。反り→浮き→ひびへと段階的に進行するのが典型的な流れです。
目地のシーリングが切れて隙間が開いてくる、というのも同じ文脈の症状です。
それでもサイディングが「割れた」場合
釘・ビスと無関係な位置でサイディングが割れている場合、外部からの物理的な衝撃(飛来物・車の接触など)か、下地に何らかの異常がある可能性があります。
下地の腐食・施工不良・建物の構造的な動きでサイディングに無理な力がかかっていれば、パネルが割れることがあります。表面だけ補修しても根本原因が残るため、下地の状態確認が必須です。
サイディングで確認しておきたいこと
- ひびが固定点(釘・ビス周辺)にあるか、それ以外の場所にあるか
- パネルが浮いている・波打っている箇所がないか(横から見てみる)
- 目地のシーリングが切れて隙間が開いていないか
- ひびの周辺で変色・染み・膨らみがないか(内部への水の侵入サイン)
- 最近、車の接触・工事中の飛来物・強風など外部からの衝撃がなかったか
自分で確認できる範囲と、専門家に見てもらった方がいい判断の目安をまとめます。
- DIYで対応可:モルタルのヘアクラック(幅0.3mm未満)の応急処置として市販の補修材を塗る。ただし根本補修は次の塗装時にまとめて。
- プロに確認:モルタルで幅0.3mm超・段差あり・斜めに走るひびが複数ある。
- プロに確認:サイディングで固定点以外にひびがある・浮き・波打ちが目立つ。
- 早急にプロへ:ひびの周辺に染みや変色がある・室内への水の侵入がある。
外壁のひびが気になる場合は、無料診断からご相談いただくか、お問い合わせください。外壁の状態確認・原因の切り分けから対応します。