コロニアル屋根は塗装より葺き替えがいい理由|雨漏りリスクとアスベスト問題を現場から解説
「コロニアル屋根が汚れてきたので塗装したい」というご相談をよくいただきます。塗装は費用を抑えられる一方、雨漏りリスクとアスベストの問題という見落とされがちなデメリットがあります。現場写真をもとに、塗装と葺き替えの判断基準を解説します。
コロニアル屋根は、屋根材どうしの重なり部分の隙間から雨水を排出する構造になっています。塗装によってこの隙間が塗料でふさがると、雨水の逃げ道がなくなり浸入しやすくなるというリスクがあります。

写真は急勾配のコロニアル屋根の棟交換中のものです。雨水の影響が最も少ないはずの棟まわりでも、コロニアルを固定している釘の周囲に雨水の跡が残っています。塗装で排水性が低下すると、こうした箇所からの浸入リスクがさらに高まります。
塗装が必要な時期のコロニアル(概ね2004年以前に製造されたもの)には、アスベスト(石綿)が含まれている場合があります。

塗装が剥げてコロニアル本体がむき出しになると、アスベストの繊維質が表面に現れます。塗装工事では施工前に高圧洗浄をおこないますが、このときアスベストを含んだ汚れが周辺に飛散・付着するリスクがあります。乾燥後に風で飛ばされることも考えると、慎重な判断が必要です。
- 新築から10〜15年以内
- 屋根材にひび割れ・欠けがない
- 防水紙がまだ機能している
- 雨漏りの既往歴がない
- 築20年以上のコロニアル屋根
- アスベスト含有の可能性がある
- 雨漏りが発生している・した
- 屋根材の反り・ひび割れが多い
重ね葺き(カバー工法)という選択肢

既存のコロニアルを撤去せず、上から軽量な金属屋根材を重ねて葺く重ね葺き(カバー工法)という工法があります。撤去・処分費用が不要なため葺き替えより費用を抑えられるほか、断熱性・遮音性も向上します。アスベスト含有コロニアルの場合、撤去せずに封じ込められるという点でも有効な選択肢です。