ゲリラ豪雨で水没する平らな板金(瓦棒)屋根の雨漏り修理──かさ上げ+折下げ工法で確実に止める【さいたま市】
📅 施工年月:2015年2月
三方を壁に囲まれ、残り一面が瓦屋根と接している、勾配がほとんどない平らなアルミ瓦棒(かわらぼう)屋根。ゲリラ豪雨や土砂降りのたびに、屋根全体が一時的に雨水に浸かってしまい、雨漏りを繰り返していた現場の修理事例です。勾配が変えられないという制約のなかで、屋根全体を「かさ上げ」して谷を作り、接続部には「折下げ(オリサゲ)工法」を採用。施工時間は通常の2倍ですが、雨漏りリスクを根本から断つ工事内容を写真付きで記録しました。
目次
板金屋根の雨漏りには様々な原因がありますが、今回の現場は屋根の傾斜(勾配)がほとんどない平らなアルミ瓦棒(かわらぼう)屋根の雨漏り工事です。新築時にも苦心したであろう難しい屋根形状で、雨漏り工事はさらに苦心することになりました。

なぜこの形状が雨漏りに弱いのか
三方を壁に囲まれた屋根は、雨水が壁伝いにすべて屋根面に流れ込みます。さらに勾配がほぼないため、流れる速度も遅い。普通の屋根なら問題にならない雨量でも、この形状では水が滞留しやすく、雨漏りの危険が常につきまといます。
- 勾配がない屋根は雨水の自然排水が極めて弱い
- 三方の壁から流れ込む雨水が屋根面に集中する
- 残り一面が瓦屋根との接続なので、谷部分の処理が雨漏り防止の要になる
- 新築時の施工が難しいため、後の雨漏り修理はさらに難易度が上がる
お客様からの相談内容は「最近のゲリラ豪雨や土砂降りのときに、雨漏りが起きる」というもの。現場を調べて原因がはっきりしました。雨水が屋根の容量を超えて流れきれず、結果として屋根全体が一時的に雨水に浸かる状態になっていたのです。

屋根は「雨水を溜めない」のが鉄則
屋根の役割は雨を「弾く」ことではなく「速やかに流す」ことです。一時的でも屋根面に水が溜まると、板金の重なり目やビス周辺から毛細管現象で水が浸入し、雨漏りにつながります。今回のように勾配を変えられない状況では、別のアプローチで「水を素早く流す」仕組みを作る必要があります。
勾配は構造上変えられません。そこで「水の流れる用水路の役目をする部分(谷)」を屋根の中に作ることにしました。屋根の中で雨水が集まって流れる低い部分を「谷(タニ)」と言います。

谷を下げるのではなく、屋根を上げる発想転換
谷を10cm下げる工事は躯体に手を入れる大掛かりな工事になります。コストも工期もかかるうえ、お客様の負担も大きい。そこで発想を逆転させて、板金屋根全体を「かさ上げ」して、相対的に谷が深くなる構造にしました。

- 勾配は同じでも谷が深くなれば、貯水可能な容量が増える
- 雨水が屋根からあふれるまでの「猶予時間」が稼げる
- その猶予時間内に流れきれば雨漏りは起きない
- 躯体に手を入れずに済むのでコスト・工期の負担が小さい
今回特に注意したのは、谷と屋根板の接続部分の加工方法です。通常の板金屋根工事では、軒先の部材と屋根板の端部を曲げて、かしめる(噛み合わせて固定する)やり方が一般的です。しかし、それだと接続部に毛細管現象で雨水が染み込みやすく、雨漏りのリスクが残ります。

折下げ工法とは
谷部分の立ち上がりより3cmほど屋根板を延ばし、その先端を斜め下に折り下げる工法です。雨水は屋根板の先端まで流れた後、折下げ部分から「切れて」落下するため、毛細管現象で接続部に染み込むことがありません。施工時間は通常のかしめ工法の2倍ほどかかりますが、雨漏りリスクが格段に下がります。
かさ上げと折下げ工法を組み合わせた仕上がりは、見た目にも明確に「水が流れる用水路」のような構造になりました。


無理かな?と思うような雨漏りでも
勾配がない、形状が特殊、すでに何度か雨漏りを繰り返している──そんな「無理かな?」と思うような雨漏り現場でも、原因を特定して工法を選び直せば必ず止まります。あきらめる前に、一度ご相談ください。
- 勾配が変えられない場合は屋根のかさ上げで谷を確保するアプローチが有効
- 谷と屋根の接続部は折下げ工法で雨水の切れを良くする
- 施工時間は2倍でも、再雨漏りのリスクを根本から断てる
- 大工事を避けつつ確実に止める工法選定が、雨漏り修理の腕の見せ所
「無理かな?」と思う雨漏りもご相談ください
勾配がない、形状が特殊、何度修理しても止まらない──そんな雨漏りも、原因を見極めて工法を選び直せば止まります。無料診断・相談受付中。フリーダイヤル0120-7-41880(7:00〜20:00、土日祝対応)。
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